祭囃子で気持ちも浮き立つ今日この頃でありますな。五穀豊穣を感謝しての秋祭りであります。
先般の台風で倒れちまった稲穂を見ますってぇと農家の落胆もいかばかりかと思いますな。
知り合いの農家では大きな被害にならなくて済んだと胸を撫で下ろしておりました
が、テレビで報道された被害の中では農家を直撃した映像が流されておりまして、
稲穂が皆っきり倒れていたり、リンゴが全て落ちてしまったりと、一年手塩にかけ
育てた苦労があんな形になっちまうってぇのはたまったもんじゃねぇだろうなと。
知り合いの農家曰く、そんなことは覚悟の上の仕事さと言っておりましたが、
あたしには察するに余りあることだと。それでも祭りは祭り、感謝はしなくっちゃ
いけないし、来年また頑張って野良仕事に精を出すだけさと、その農家さんも
言っておられましたな。
黄金色にうねる稲穂の脇を、お囃子を従えて山車が行く光景は日本の原風景で
ありましていつ見てもよいものであります。そんなこともありまして、今年の秋
祭りに備えて受けたご依頼は「茶絆纏」でありました。
季節を取り込んだ装いてぇのも古からの文化でありまして、侘びと寂の中で
躍動する艶やかな生命力ってぇのが本当の「美」であると。
(絹地のお稽古バッグと両面使いの帯締め)
少し向こうの色使いで季節を予感させるってぇのが古からの知恵であります。
少しずつ濃い色へと季節は動いて行きますな。
明日と明後日は古人見町祭礼のため夕方5時までの営業となります。
ご迷惑をおかけするとは思いますが、どうぞお知りおきくださいまし。