銀の平打ち簪(かんざし)

銀の平打ち簪(かんざし)

あたしんところは呉服小物と慶弔道具を扱っているんですが、ほぼあたしが好きなものを集めておりまして、好きじゃないものにはやはりどうしても愛着も涌きませんから、お客さんにお勧めするのにも気が引けちまいますな。やはり自分が良いと思えるものでなくっちゃ取り扱いをしたくない。

とりわけ簪ってぇ物が好きでありまして、きゅっと結い上げた女性の髪を飾るてぇところが良い。ま、あたしには髪がありませんから、それでもって無い物強請り(ないものねだり)をしているのかもしれませんな。着物も然り、祭り絆纏を着ているときも然りでありまして、やはり結い上げた髪に女性の内に秘めた強さと優しさ、この両方が宿っていることを思い知らされたりしちまいます。

男にしてみれば、女性ってぇのは弱いものではあるんですが、粘りのある強さも兼ね備えているものだと。毎日の生活の中でもって家族のために立ち働くってぇ強さであります。長い髪をきゅっと結い上げたところにその強さを垣間見る。が、しかし、その結い上げた髪を飾るってぇところに女性らしさが出るところだとも。








銀の平打ち簪(かんざし)

銀の平打ち簪はそんな両極の性質を持つ女性そのもののような気がしてならないんです。金属の冷たさも然り、貴金属である銀のもつ鈍い光も然り、そして施された装飾も然りでありまして、優雅さと強さ、表に出さない渋みってぇ物。ただただ派手派手しく飾るんじゃなくって、落ち着いた光ってぇものがある。落ち着いた女性には銀の平打ち簪をと思いますな。

ぶん屋は、本日木曜日から週末の日曜日、午後1時から7時の営業であります。今週も皆様のご贔屓に預かればと心よりお越しをお待ち申し上げております。







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この記事へのコメント
 なんだかこの簪のデザイン、高山のマンホールの蓋ににてますね(笑)。
Posted by 焚火屋 at 2010年10月07日 22:06
焚火屋さん

またちょっと違うと思いますよ。
Posted by ぶん屋ぶん屋 at 2010年10月08日 09:55
先日は、簪のお直しをありがとうございました。
とっても素敵です…
いつか、自分の髪に挿してみたいです。

もっと自分を磨いて、銀の簪に気後れしなくなったら
自分のものにしてみたいひとつですね。
Posted by スミ at 2010年10月08日 12:48
スミさん

なんだか丁寧にお手紙までいただきまして恐縮です。ご自分の道ですから、身の丈で良いと思いますよ。自信を持って、というよりも着実にやっていけば、それが自信なるんじゃyねぇのかなと。また時間がありましたら遊びに寄ってください。
Posted by ぶん屋ぶん屋 at 2010年10月08日 13:15
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