簪(かんざし)への憧憬

簪(かんざし)への憧憬

女房は、去年転職をしたときに気持ちを切り替えるんだなんてぇ事でもって髪をばっさり切っちまった。あたしは長い髪が好きでありまして、ちょいと残念な気持ちにもなったんですが、ま、髪は伸びるものだからと女房が好きなようにやらせたんです。あ、あたしのはね、毛根がないからダメですよ、伸びません。

長い髪が好きってぇ事よりも、実は結い上げた髪が好きでありまして、小間物屋を商っていることもありますから、女房にはいくつか簪を渡しまして、きりっと結い上げた髪に飾っているようにと。もちろん女房自身もそれが好きな様でありまして、しょっちゅう結い上げた髪に簪を挿しておりました。

髪を切ったのが去年の十月の終わり頃でしたから、そろそろ一年が経つんですが、肩甲骨の辺りまであった髪を肩にかからないほどに切っちまったんです。そんな具合ですから一年で元通りになんてぇ事はあるもんじゃない。ま、それでも結い上げることは出来まして、ここのところ結い上げた髪に簪なんてぇ以前の姿をちょいちょいと見ることが出来るようになりましたな。








簪(かんざし)への憧憬

これは以前の女房の後姿であります。きりりと結い上げた髪に簪、抜いた衣紋とうなじてぇのはいいものでありますな。きりっとしているんですが女性らしさがある。こんな女房の姿を見ておりますってぇと小間物屋をしていてよかったなと。女の人がきれいになるってぇのは男にいたしましても嬉しいものでありまして、そんなことを考えますってぇと、まだまだ、精進をしなくっちゃいけねぇなと。

(いいものでしょ?)







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