新聞に目を通しておりますってぇと、台所からダシの香りが漂ってまいりまして、
否が応にも腹の虫が飯の催促を始めますな。今日は白味噌のようであります。
「卵はどうされますか?」
「お、入り卵にしとくれ」
「お海苔は?」
「もちろん欲しいさ」
朝食に欠かせないのが地海苔でありまして、これは車でちょいと行った舞阪で
買い求めるものであります。ま、海の近くでありますから、波乗りの帰りにでも
買ってくれば良い訳で何もわざわざってぇ事もない。
「会社はどうなんだ?」
「いろいろ見えては来てますけど、まだ入ったばかりですし、しばらく様子見ですね」
「ああ、でしゃばることもなかろう。信を得てからだな、動くのは」
「ええ、そのつもりです。気を張ってるからだとは思うんですけど、なんだか疲れてるわ」
「そりゃそうだろ、まだ転職して数日だからな、それでなんともないようならよほど図々しい」
「そうですよね」
今晩は以前勤めていた会社の同僚たちが送別会を開いてくれるってぇ事で女房はいない。
晩酌は一人でしなくっちゃならないようでありますが、さて、何を肴にいたしましょうかね。
朝飯を食ってる最中から晩酌の心配が始まりましてなんとも食うこと以外に楽しみはない
ものかとちょいと情けなくなる。
月曜日に膝に溜まった水を抜きましてからどうも調子がよくない。膝に水が溜まるってぇ
こと事態”炎症”が起きているってぇ事でありますからちょいと腫れが出ておりまして、膝
周りの靭帯の付け根にちょいと違和感がある。
明日にはちょいと波も上がりそうな気配ですし、トレーニングも再開しなくっちゃならない
んですが、それもおざなりになっておりまして普段の生活に戻れない。ま、一生付き合う
ことでありますから、こういうことがあって”普段”なんだろうなと。
舞阪の地海苔は香り高く、紀州は湯浅の金山寺たまりを下地にいたしますってぇと
これがたまらない。銀シャリが遠くに隠し持っている甘みをすっと引き出してくれますな。
ま、何があるとせよこの朝飯の楽しみはね。今朝も美味しい朝餉をありがとう。
(今日もちょいと忙しい)