来月、半田山にあります「
ラウンド・テーブル」さんに於きまして、展示会を
行なうことになりました。催しに際しましていろいろと思案をしておりました。
何を思案していたかってぇと、展示会のタイトルであります。
ま、題名ってぇことでありまして、「名は体を現す」とも申しますから、
しっかり考えなくっちゃなんない。しかも初めて催す展示会であります。
担当の方からも「テーマを決めてください」ってぇ事でありまして、
でっかい宿題を頂いておりました。
大体が、「小間物屋」でありまして、扱う物は多岐に渡る。
小さな物はがま口、巾着から、慶弔の家紋入り塗り盆までと、
守備範囲が広いのも「小間物屋」の特徴でありますし、
和のものと言いましても、江戸の粋から京の雅まで、
町娘から大奥までと、なかなかに一言で表わせと仰せられても
「言うは易し行なうは難し」ってぇところでありまして、難しい。
ましてや、呉服周りの小物も扱っておりまして、普段着物の普段使いから、
公の席へと合わせる小物もそれこそいろいろでありまして、なかなかに
一言で括れない。
なんだかんだと十日ばかり思案をいたしまして、己の商いの本質とは、
なんてぇところまで掘り下げて考える毎日でありました。
自分でも、「ぶん屋は小間物屋」なんてぇ事を言いますが、
他人からは「和雑貨屋さんとどう違うんですか?」なんてぇ質問を
ぶつけられたこともありまして、今一度「小間物屋」とは何ぞや、
そんなことを考えた十日間でもありました。
テーマ、タイトルが決まらなくっちゃ案内状も作れやしない。
でもって、考えたことが、既成の大量生産品じゃない。
お客さんからお話を聞いて作るものでありますし、その旨を
職人に伝えまして、手作りの一品を作ることが多いのも事実。
言わば「別誂えを受けられるのが小間物屋」じゃねぇのかと。
あたしが考えて店の箪笥の引き出しに入れてあるものも、
いわばあたしが「別誂え」を依頼して職人が作ったものであります、
つまりは「誂え物」を扱っているってぇ事に他ならない。
で、やっとの事でタイトルを決めました。
「誂えの小間物展 ~ぶん屋の抽斗から~」
ラウンドテーブルさんにて、12月4日(木曜日)より、12月7日(日曜日)まで。
ま、いい落としどころだと思っておりますが、いかがでしょうかね。
(初めての展示会であります、ちょいと楽しみ)