店を仕舞いまして駅南の「
末広鮨」さんで女房と待ち合わせの
約束をし、仕事場から直接行った女房とお店でおちあいました。
暖簾をくぐりまして店内に入りますと、一足先に来ていた女房の横にあたしの
席も設えてありまして、さて、何を頂きましょうかねなんて女房と話しておりまし
たら、注文もまだなのにも拘らず心づくしの料理が出てまいりまして、呆気に
とられておりましたら、「お店からのお祝いです」と。気持ちがありがたい。うれしい。
思えば女房と一緒になったときは、本当に貧乏をしておりまして、苦労をかけたなと。
あたしが夜勤の仕事をしていたものですから、女房と顔をあわせるのは週に一度しか
なく、たまの休みといえば握り飯を作りまして、自転車で中田島へ行ったり、浜北の
森林公園へ行ったりすることが唯一の楽しみでありました。
外食なんざ出来るはずもなく、3ヶ月に一度くらい、近所の蕎麦屋へ行くのも楽しみ
でして、「次はいつ行けるかね」なんてぇことも昨日のことのように思い出しますな。
そんな話をしながらの酒席であります。おいしい料理と気兼ねの無い人柄が好きで
通わせていただいている「末広鮨」さんでありまして、何かあったときはここがいいねと。
前回息子が帰ってきた時も、「おいしいし、いやすいよね」などと息子も気に入っていた
ようでありますな。
そんなに暮らし向きは良くなっているわけではありませんが、所帯を持った時に比べたら
格段に楽になってきたなと。女房も大きく頷いておりましたが、「あの時はお金もなくて
苦しい思いもしましたけど、毎日楽しかったですよ」なんてことを。
これからも長く一緒にやっていくいい相棒だななんてね。
(いい宴でありました)