梅の季節
あちらこちらの梅の木には花が咲き始めまして嬉しい思いでそれを眺めております。あたしんちの紅梅もパンパンに膨らんだ花芽が開いて二つほど花を咲かせました。後は次から次へと花を咲かせるんでしょうな。なんだか菅原道真の気持ちがわかるようでありますな。
しかして、人の気持ちというのはわがままでありまして、都都逸にも歌われているように「梅は咲いたか、桜はまだかいな」と、次の季節次の季節へと気持ちが行くようでありますな。桜が終われば菖蒲だなんてぇ事も言う。欲にはきりがないものだななんてぇことを思う。
桜ってぇのはその姿をたくさんの意匠にされておりまして、散り際がいいってぇことでいさぎのよい花としているようであります。が、意匠の世界では、枝が付いているものはその季節に、花びらだけのものであればいつでも使えるってぇことになっておりまして、なかなか使い勝手が難しい。ま、花びらだけであれば文様として扱い、枝があるものはその姿そのものを表しているってぇことになるからってぇことでありますな。
てぇことで、この簪は今から一月ほどしか使えない。しかし、そういう期間限定ってぇのも値打ちがあって面白い。桜が咲いたら使えない。本物が咲いているのに、同じ意匠のものを身に付けるってぇのは野暮ですから。桜が咲いたら次の季節、菫とか菖蒲のものなんざいいんじゃないでしょうかね。
この時期になりますってぇと絆纏の話も多くって、地元中沢町の若い衆が遊びに来たんですが、やはり五月の凧揚げ祭りの話になる。こればかりは年がら年中話題になりますから仕方がないといえば仕方がない。話をしているうちに、あたしの頭の中はすでに菖蒲の季節が来たようであります。
ぶん屋は本日木曜日から週末は日曜日、午後1時から7時の営業であります。今週も皆さんのお越しを心よりお待ち申し上げております。
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