2006年11月15日

First Big Day (1)



これから波のない季節がやってきます。
そんなときには、思い出したようにギターを引っ張り出してきて、
ジャカジャカと思いつく限りの曲をを弾いてみたりするのですが、
エアー・サプライの「Lost in Love」や、
J・Dサウザーの「Your Only Lonely」なんぞを弾いておりますと、
当時の事が克明によみがえってきますな。


私が25歳ぐらいの時に流行っていた歌でして、
当時は波乗りの方も少しは乗れるようになってきまして、
(とは言っても大した事はないのですが)
頭の中は打倒、Big Wave!ばかりでしたな。


当時は、よくあんにぃに、

「おまえの根性は認めるけど、どんなにでっかくて良い波だって、
全部ウォータースライダーみてぇに真っ直ぐ滑るだけじゃぁなぁ・・・」

なんて誉められておりました。
ですから、台風が来るってぇと我先に浜へ出て、
コンディションが整うまで待ちきれず、
ぐちゃぐちゃだろうがどっかんどっかんだろうが、
お構いなしに入っちまうもんですから、
しょっちゅう死ぬ思いを致しておりました。

私が23歳の時ですが、「台風22号」ってぇのが来まして、
四国沖200kmの時点で、中心気圧が967mb、
(あっ、今はhpを使いますな)最大風速60m、
なんて超弩級の台風が来ました。
金曜日の時点でその位置なので、
土曜日の午後から夜半にかけて東海地方に上陸をする、
というのが当時の気象庁の見解でありました。

当時はまだ週休二日の制度は導入されていませんでして、
サーフトリップに行くなんてぇ事はめったに出来るもんじゃありませんでしたし、
当然携帯電話なんてぇ粋な物もありませんから、波情報なんてしゃれたものも、
仲間と連絡を取りあうってぇ事もありませんでしたな。
波を当てようと思ったら、兎に角天気図と予想が頼りでして、
中には短波の漁業予報なんてぇ放送から各漁港の風向と風力で、
天気図を描いちまうってぇつわものも居りました。

そんな台風が近づいてくるさなか、
土曜日の夕方に皆がショップに集まりますと、
すでに舞阪をチェックしてきた奴の話では、
15ft ovって事でとてもできやぁしねぇと。
赤灯台のずっとアウトで、物凄ぇ化け物んが割れているってことでしたな。
明日の日曜日にもよほど早く台風が抜けちまわねぇと、
入る事は出来ないというのが大方の予想でありました。
それならそれで早く帰って酒飲むなり何なりして寝ちまえばいいのに諦めがつかない。
「もしかしたら出来るところがあるんじゃないか?」
集まった10人程の奴等の顔に同じ言葉が書いてありましたな。

誰も話しをしなくなっちまいました。
表は台風の影響で風がびゅうびゅう吹き出して、
今度の台風がちょっとやそっとの大きさじゃない事を無言で告げておりまして、
時折すごい雨の音がいたします。
いやがおうにもムードが高まってきたところで、

「夜中にここを出て、朝一番に着けば出来るところがある」

あんにぃが沈黙を破って話しはじめました。

「宇佐美の漁港か!」

キーボーが口を挟みますってぇと、

「待ってろ確認してみる」

と、おもむろにあんにぃが電話のところへ。
伊豆の知り合いのショップに電話をかけているようでして、
皆の視線を浴びながら「うん、うん、」と話しているうちに、
「ありがとう。解った」と受話器を置きまして、

「今晩の12時ちょうどにショップの前に集合だ!いいな!」

台風を追いかけて波乗りをしようってことなんです。
波乗りを知らない人なら、キチガイじみた話に聞こえるでしょうな。

晩の7時ごろでしたかね。
軽く仮眠を取って行くつもりが寝られない。

「でかいかな?」

「クローズする所じゃないけれど、トリプルはあるだろうな。」

「どんな感じの所なんすか?」

「グーフィーオンリーで、底がでっかい玉石なんだよ」

「・・・」

「行けば解るよ12時な」

あんにぃとの会話から、まだ行ったところのないブレイクを想像しまして、
まんじりともせずに布団の中で時間だけが経っていきます。
 


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この記事へのコメント
ポさん、小説家になったら!!読んでながら、画面が浮かんでくるんだもん・・
ドラマも見すぎかな・・
Posted by あきちゃんのオモニ at 2006年11月16日 07:34
オモニ
そんなにたいそうなものではありません。
記憶の断片をつなぎ合わせながら書いているだけですから。
ドラマ見すぎかもしれないですね~
(ドラマ ノム ポアッチョ)
Posted by at 2006年11月16日 07:59
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